高次脳機能障害は、その方によって、症状の程度が異なってきます。そのため、その方に合わせた対応方法が必要となってきます。今回は、記憶障害のサポートの仕方について記載していきます。
⚫︎記憶障害とは…
記憶障害は、注意機能と同様に記憶も分類できます。代表的なものは、覚えておく長さによって、短期記憶と長期記憶に分類する方法があります。
・短期記憶
短期記憶は、その場で言われた電話番号を覚えておくなどの数十秒のごくわずかの記憶になります。
・長期記憶
長期記憶は、朝食が何であったかといった1日の出来事覚えておくだけでなく、小さい頃の思い出などの昔の記憶になります。
記憶の分類には、覚えておく長さだけでなく、覚えて思い出す一連の記憶の過程で分類する方法もあります。
・覚えたものを覚え続ける
頭の中で、私たちが覚えるべき情報を処理しやすい形に変換します。この処理する段階で失敗してしまうと、記憶は定着しません。この処理する過程は、注意機能とも密接に関わっています。覚えている時に、周囲の環境が騒音で気が散ってしまうと、記憶力は低下します。
・思い出す
この過程に問題がある人は、覚えることはできるが、それを頭の中で探し出すことができない方です。このような場合は、情報をうまく探し出せるような手がかりを有効に活用する必要があります。
⚫︎記憶障害のサポートの仕方
なるべく気が散るような環境を避けるようにします。集中して記憶できる環境づくりも重要です。また、同時にいくつかのことを行うと混乱して記憶できなくなってしまいます。そのため、覚えることがある場合には、一つずつ記憶するようにします。そして、記憶障害の方は、時間が経過すればするほど、思い出すことが苦手となってきます。そのため、メモを活用するなど代償手段の定着も重要となってきます。メモを取ったとしても、メモしたことを忘れてしまうこともあります。そういった時には、アラームを設定して、アラームが鳴ったら、メモを見るなどを学習していく必要があります。
記憶障害は、記憶の過程のどこに問題があるかによって、対応方法が異なってきます。その人にあったサポートをしていく必要があります。また、記憶障害の方は、失敗経験が特に多いことで、精神的に落ち込んでしまう方も少なくありません。そのような時には、ご家族のサポートも必要不可欠となってきます。
当サービスでは、高次脳機能障害に対してのリハビリだけでなく、ご家族の支援方法を相談できる体制も整えています。高次脳機能の評価・高次脳機能リハビリ・支援方法の相談をご希望の方は、お気軽にご連絡下さい。
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